心因性難聴(しんいんせいなんちょう)
病態と症状
音を伝えるための耳の構造に異常は認めないものの、難聴を自覚する状態をいいます。本人が自覚しない精神的な反応に関連して生じることがあります。
当院で可能な検査
耳鏡や軟性内視鏡を使用して鼓膜所見の詳細を観察し、音を伝える構造に異常がないか診察をします。さらに純音聴力検査や耳音響放射検査(otoacoustic emission;OAE)を用いて原因を精査していきます。診断のために脳波検査を用いることがありますが、検査が必要と判断した際には速やかに連携病院へのご紹介を行います。
治療
心因性難聴の診断に至った場合、難聴は何らかの心因的サインであり、その原因への対応が大切となります。心因性難聴の場合、時間をかけて徐々に改善をしてくることが多いですが、他症状の新出がないか経過観察を行います。