突発性難聴 (とっぱつせいなんちょう)
病態と症状
耳疾患の既往のない健康な人に突然誘引のない高度難聴が発症します。通常一側性が多く、耳鳴、耳閉塞感を生じます。また平衡感覚維持機能にまで障害が及んだ場合、同時に回転性めまいを伴う場合があります。早期に治療介入することで症状回復の可能性がある感音難聴、めまいであり、繰り返すことは稀です。原因として内耳へのウイルス感染、血液循環障害が考えられています。
当院で可能な検査
純音聴力検査や耳音響放射検査にて聴力検査を行います。めまい症状を伴う際は特徴的な眼振（眼球の揺れ）を認めます。当院では赤外線カメラ眼振検査装置を使用して、微細な眼振の評価と記録を行います。また重心動揺計を用いた体平衡検査、vHITを用いた前庭機能検査などを行います。
治療
安静をとり、ス テロ イド薬、循環改善薬などの投与を行います。めまい症状を伴う際は、吐き気を抑える点滴治療を行うことがあります。入院治療が必要と判断された際は関連病院へのご紹介をすみやかに行います。
内服や点滴治療後も難聴が残存する場合は、中耳に薬剤を注射する治療（ステロイド鼓室注射）を行うことがあります。
