良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)
病態
内耳には半規管という構造があり、平衡感覚の維持に関与しています。良性発作性頭位めまい症は、通常正常であれば内耳の一部分(卵形嚢や球形嚢)におさまっているカルシウムの塊(耳石)がそこから剥がれて半規管に入り込んでしまった時に生じます。一定の頭の位置をとることや、寝返りや起床など頭位の変換を行う際に、半規管に入り込んだ耳石が転がり、半規管感覚を刺激してしまい回転性めまいや吐き気を引き起こします。めまいの原因の中で最も多いことが知られています。
当院で可能な検査
良性発作性頭位めまい症は頭の位置を動かした時に誘発されるめまいや眼振が特徴的です。そのため、まずは身体所見として頭を特定の位置に動かした際に特徴的な眼振が誘発されるかを検査します(頭位頭位変換眼振検査)。当院では赤外線カメラ眼振検査装置を使用して、微細な眼振の記録を行います。
治療
めまい発作時には、必要と判断された際にはめまいや吐き気を抑える点滴治療を行います。良性発作性頭位めまい症はリハビリとして、あえて頭を動かしながら半規管内に入り込んでしまった耳石を元の位置に戻していくことが必要です。リハビリの方法をお伝えし、必要と判断された場合は医師の指導のもと耳石排出のための理学療法(浮遊耳石置換法)を行います。